こころの栄養 からだの栄養

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Vol.3『おいしさ考』

昔、とあるニュース番組に「最後の晩餐」というコーナーがありました。毎回、有名人に「死ぬ前の最後の食事として食べたいものは?」と尋ねるといった内容でした。皆さんは「最後の晩餐」にどんなシチュエーションで、誰と、どんなものが食べたいですか? どんな食卓が思い浮かびますか? ちなみに有名人の答えはさまざまでしたが、やはり、豪華な食事よりは日常食べている者を家族と囲む答えていた人が多かったように思います。
では、結婚記念日や誕生日ではどうでしょう? 豪華なレストランや料理屋で豪華なものを食べたいという人もいるでしょうし、家庭でご馳走を作って食べたいという人もいると思います。家族水入らずで過ごす、友人も呼んで大勢でわいわいするなどそれぞれ好みに分かれそうですね。ここからわかるように「食事のおいしさ」には味以上にさまざまな因子が関わってきます。今回はそういった「おいしさ」に影響を及ぼす因子を取り上げてみようと思います。

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<生活環境と嗜好>

温   度 温度が低いと塩辛いものが好まれ、高いと酸味のあるものが好まれます。この現象は直接の気温よりは普段生活している地域の気温の変化によります。
   
時代と嗜好 日本人の嗜好は濃厚な味からより淡泊な味へと変化する傾向にあります。これには、栄養状態が良くなったことと環境、特に冷蔵庫の普及が深く関わっています。
   
年齢と嗜好 年齢によっても嗜好が異なります。一般に年を取ると淡泊なものを好むようになります。成長期には多くの栄養を必要とするために、栄養が多いと感じる濃厚な味や油気の多い料理を好むからです。
   
労働と嗜好 労働の強弱と質の違いも、味の嗜好の違いとなってあらわれます。激しい肉体労働ほど塩分多いものを要求し、精神的な労働が強いほど、甘い味のものを欲するようになります。


<おいしさと心理学>

食卓の雰囲気、料理や食器の色彩、料理の形、選択の自由性、食品に対するイメージなどが味に影響を及ぼします。
   
一般に明るい色、特に赤、オレンジ、黄などの暖色は人間の消化作用や食欲を促進する自律神経を刺激し、地味な色や寒色は食欲を減退させる傾向があります。特に黄緑は食欲減退の傾向が強いので、緑の野菜を調理するときは気をつけなければなりません。
   
料理の形 コロッケなどでは女性の体の寸法比率からきたといわれ、人間の目には大変美しく安定して見えるといわれる黄金比率5:3(厳密には1.618:1)に近い形のものがおいしいと感じられることが統計的に証明されています。安定感が安心感につながり、おいしいと感じられるのだと思われます。
   
選択権 自分が食べたいものを自由に選択できるかどうかということもおいしさに左右します。一般的に自由に食べたほうがおいしいと感じます。
   
イメージ(数)

数字、1〜10では 「5」が一番おいしく感じられ、「4」が一番まずく感じられるそうです。「4」や「9」が一般的に死や苦に通じるとして忌み嫌われているのが食べ物の味にまで影響しているそうです。こういったことは日常の習慣に非常に合致するようです。

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これまであくまで「一般的には」というそれぞれの人や状況によって異なります。しかし、こういった傾向があるのは知っておいて損はないのではないかと思い、今回は「おいしさ」とその影響因子を取り上げてみました。毎日の食生活の参考になればうれしいです。

(中野麻由子)

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