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スポーツドリンクについて(2)
私達が子供の頃はよく「ヤクルトは虫歯になりやすい」と言われていました。最近はどうでしょうか?
ヤクルトも改良を重ねて「ミルミル」などは砂糖を使わずに人工甘味料を使うといった工夫も凝らされているようです。ただし、一般的な「ヤクルト」自身は「味」を損なわない為に砂糖を使っているそうですが…。
しかし、ヤクルトによって虫歯になったという話は徐々に聞かなくなってきました。しかしながら、最近、私達歯科医師の間でよく話題になるのは「スポーツ飲料」です。
当院でも1〜2歳の子供達が前歯を溶かして来院するケースがしばしば見られます。この子供達の大半は哺乳瓶にスポーツ飲料を入れて飲ませているケースです。
前回はスポーツドリンクがどの様に消費者にイメージされているのかを書かせて頂きました。そこで、今回はなぜ虫歯になりやすいのかを書いていこうと思います。
広島大学歯学部小児歯科学講座での脱灰能(歯を溶かす力)を実験した結果があるので下記に紹介します。
| 実験材料: |
牛乳,コーヒー牛乳,乳酸菌飲料,炭酸飲料,無果汁清涼飲料,100%リンゴジュース,スポーツドリンク |
| 方 法: |
抜去乳前歯(抜いた前歯)を用い、エナメル質の表面 の半分をワックスで被覆し、他の半分を各ドリンクに2日間と6日間、常時浸漬する。その後ワックスで被覆した部分と比較し、脱灰状態の観察を行う。 |
| 結 果: |
◆牛乳
コーヒー牛乳 |
双方ともに変化無く、脱灰を認められなかった。 |
| ◆乳 酸 飲 料 |
2日間で白濁がみられ、6日間で全体に脱灰状態が認められた。 |
| ◆炭 酸 飲 料 |
2日間で脱灰部分が一部剥離し、象牙質が現れていた。 |
| ◆100%ジュース |
2日間で脱灰部分が一部剥離し、象牙質が現れていた。 |
| ◆スポーツドリンク |
2日間で脱灰した部分は殆どで象牙質が現れていた。 |
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上記の実験で解る様に『スポーツドリンクは虫歯になり易い』と言っても過言ではないのです。
ここで、見逃せないのは100%ジュースも皆さんは「100%だから…」という安心感をお持ちでしょうが、やはり、虫歯にはなりやすそうですね。
話を戻しましょう。
スポーツドリンクのPHは2.91〜4.07程度と言われています。しかし、いずれにしても、《臨界PH》と言われる5.4よりも低い値なのです。ですからこのスポーツドリンクを長時間歯に接触させればさせるほど、虫歯にはなり易いと言えるでしょう。と言う事は、哺乳瓶で飲ませる事は上記の条件に当てはまってしまい、哺乳瓶う蝕になりやすいと言えるでしょう。乳児をお持ちのお母さん、気を付けて下さい!
前回と今回の2回に分けてスポーツドリンクに付いて書いて来ました。何だかスポーツドリンク批判をしてきた様ですが、決してそんな事はありません。スポーツの後、発熱時にはどうぞ心置きなく飲ませてあげて下さい。とても良い飲物だと思います。ただし、何時でも…という考えを変換して下さい。どんなに良い薬でも飲み方を間違えれば副作用が出ます。それと同じではないでしょうか?以前に小児科のドクターとお話しする機会がありました。私が上記の様な話をしたところ、「そうなんですか、歯には良くないんですねー。じゃあ熱が出た時は、お茶が一番ですよね。スポーツドリンクを勧めても熱が下がったら止める様に母親に促しますね」とおっしゃっていました。そういう小児科医が増える事を願って止みません。
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