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【第6回】キシリトールはなぜむし歯の原因とならないのか”について

歯 MEMORY第8号より『キシリトール』についてのお話を始めましたが、今回はその2回目として『キシリトールがなぜむし歯の原因とならないのか』についてお答えします。

キシリトールは甘いのにどうしてむし歯にならないの?
MEMORY第8号のこのコーナーで、キシリトールはそのもの自体がむし歯の原因とはならないというお話をしましたが、キシリトールも甘味料の一つなのですからもちろん甘く、その甘さも砂糖とほぼ同じくらいのものなのです。ではなぜ、砂糖はむし歯の原因となるのに、キシリトールは大丈夫なのでしょうか。

では、まずむし歯がどのようにして作られるのかというところからお話を始めることにしましょう。
むし歯の3要因
むし歯ができるには次の3つの因子が必要です。

1.歯
2.細菌(ミュータンス菌:むし歯の原因となる代表的な菌)
3.糖質(砂糖などの糖分)


これらの3つの因子が同時に存在し、歯が溶けるのに必要な時間が経ったとき、むし歯ができるのです。段階を追って説明しましょう。
食事やおやつの後歯磨きもせず、口の中を不潔な状態にしておくと、歯の表面に白いネバネバしたものが付いてきます。それが歯垢(プラーク)といわれるものでこの中にはむし歯の原因となる細菌が数多くいるのです。(歯垢1mgの中に約1億から10億個)
では、歯の表面についた歯垢の中ではどのようなことが起こっているのでしょう。
右の絵をご覧下さい。歯垢中のミュータンス菌は糖質(砂糖など)をエネルギーとして活動、増殖します。すなわち糖分が餌になるのです。糖分を吸収したミュータンス菌は体内でそれを分解し、酸を排泄するのです。(糖代謝経路)この酸により歯は溶かされ、むし歯となってしまうのです。また、餌になる糖分が過剰に与えられるとミュータンス菌の体内で蓄積され(グリコーゲン)餌となる糖分が少なくなっても酸を排泄し続けるのです。
次に、キシリトールの場合はどうでしょうか。キシリトールもミュータンス菌の体内には取り込まれるのですが、分解されません。すなわちエネルギーにもなりませんし、酸を排泄することもないのです。
キシリトールはミュータンス菌の餌とはならずそのままの形で排出され、また取り込まれることを繰り返すのです。取り込む時および排泄するときにはある程度のエネルギーが使われますので、だんだんミュータンス菌は弱まり、ある程度キシリトールを取り込むと、それが毒となり、死んでしまいます。ですから、菌の数が増えることもないのです。(キシリトールの無益回路)よって、「キシリトール自体がむし歯の原因になることはない」という考えが定説となっています。

MEMORY第8号のこのコーナーでも記しましたが、現在キシリトールはあくまで食品添加物であり、キシリトール入りの食品に関しては、砂糖や他の代用甘味料も含まれていることを忘れてはなりません。また、歯磨き剤などにはキシリトール100%のものもありますが、普段の生活の中で砂糖を全く含まないことは不可能でしょう。むし歯の予防をキシリトールに頼るのではなく、日々の歯磨きと食生活を見直してみてはいかがでしょうか。きっとそれがむし歯なしへの近道のはずです。

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